推しと宇宙とアンモナイト

好きがあふれて言葉になりました。

推しがパリピ大学生になった話〜舞台『ハッピーマーケット!』感想〜

マスミラ公演中に2代目シーノ役の田川大樹くんにまっさかさまに落ちたわたし、インターネットの海を彷徨っている最中にこのツイートを見つけてしまいました。

2.5次元ではなく、オリジナル脚本による舞台。
彼がどんな役柄を演じるかもこの時点では不明。
すべてが未知数のまま、千秋楽ライビュ後に勢いでSOLID STARさんのオフィシャルファンサイト会員になり、会員先行チケットを確保してしまいました。本当に勢いって怖いですね!!!!!

その後、ご縁があってさらにもう1公演チケットをお譲り頂くことになり、合計2公演の観劇が決定した頃、ビジュアルが発表となりました。

!?!?!?

パリピ」の役である、というのは田川くんご本人のSNSで予告されてはいたのですが、予想の遥か上を行くビジュアル。
つい先月までひらひらとした王子様然とした衣装を着て、きらびやかな舞踏会の世界にいた方が、こんな、ポップでカラフルなビジュアルになるとは夢にも思いませんでした…頭にきのことかカボチャとか刺さってるし!
そういえばこの人、石原プロ所属ですよね…?大丈夫?

いったいどんな舞台になるのか不安と期待を抱え、いざ観劇の日を迎えました。
そして、これがわたしの観劇後のツイート。


結論として、とにかく楽しかったです!
そしてさすがに舞台ではきのこもカボチャも刺さってませんでした!りんごとかバナナのパッチンピンだけ!それがまたかわいかった!!(ちょろいオタク)



詳しいあらすじや舞台写真などはこちらの記事がわかりやすいのでご覧いただければと思いますが、「ハッピーマーケット」という架空のスーパーマーケットを舞台に繰り広げられる、笑いあり涙ありのミュージカルコメディ。
ミュージカルでコメディ!?ってどんな感じなんだろう、って思うかもしれませんが、肩肘張らずに楽しめる、良作でした。

いわゆる「さとり世代」と呼ばれる欲の薄い若者2人が、スーパーマーケットに住む2人の妖精に出会ってから始まるドタバタ劇。
某トレンディドラマ(死語)のテーマソングのイントロや、某ミュージカルのオマージュと思われる挿入歌など、遊び心がいっぱい。


田川くんはそのスーパーマーケットでバイトをしているパリピグループの一員。飲み会に、カラオケに、スノボにと人生のモラトリアム期間を満喫中!なチャラチャラ〜っとパッパラパーな大学生・多田啓くんを全力で演じていました。
わたしはそこで、シーノとのギャップに面食らうとともに、感動にも似た何かを覚えました。

なぜかというと、すべてが違ったんです。
発声も、姿勢も、重心も、歩き方も。

シーノは指先まで優雅で美しい所作が印象的でしたが、多田くんは常に斜め後ろに重心があり、手もラッパー風にチェケラ(語彙力の敗北)。
勢いとノリで生きている感じが伝わってくるその様子に、「この人が他の役を演じたらどんな感じになるのかもっと見てみたい…!」と強く思いました。


正直なところ、わたしは自分が初代&2代目シーノが好きすぎて、他の役を受け入れられるのかわからないなあと思っていたんです。
でも、実際に足を運んでみたら、もっともっと田川くんのお芝居が見てみたくなるという嬉しい誤算。

相方役の内海啓貴くんとタイムセールを実況したり、「命短し遊べよ若者」というパリピソングを歌い踊ったり、多田くんとして生き生きと弾ける姿にもっとチケット取れば良かった…!と何度も思いました。
長い手足がまた、舞台の上で映えるんですよこれが…。


ちなみに千秋楽公演はみんなアドリブ連発の大爆笑に次ぐ大爆笑。
田川くんも共演者からのパスを必死で繋いで、アドリブをキメてくれました。素晴らしい。

でも、副店長であるなだぎ武さんのアドリブが凄すぎて、笑いすぎて膝から崩れ落ちていく姿が何より印象的でした。かわいいが過ぎる…。


1年以上前の舞台の感想を昨日のことのように書き綴れるくらいに楽しかった「ハッピーマーケット!」。
円盤も何度も見てしまった「ハッピーマーケット!」。
見るたびに元気が出る、素敵な作品です。

その「ハッピーマーケット!」ですが、なんとリバイバル公演が決定しました!!!!!



これは絶対楽しい舞台になるはず。
というわけで、田川大樹くんに少しでも興味を持たれた方はぜひご観劇いただければと思います!
わたしも全力で楽しみに行きます!!

ふたつの幻影〜マスカレイドミラージュ考察〜(後編)

前回までのあらすじ
愛とリスペクトに満ちた舞台の幕が降りた。
しかし、俺たちの戦いはまだ終わらない――。
そう、円盤発売およびリリースイベントはこれからだ!

ふたつの幻影〜マスカレイドミラージュ考察〜(中編) - 推しと宇宙とアンモナイト

 たくさんの拍手に包まれて千秋楽を迎えたマスミラ再演。
 その興奮をもう一度ご家庭で、というわけで約4ヶ月後、Blu-ray/DVD及びオフィシャルビジュアルブックが発売されました。

 円盤の見どころはたくさんあるのですが、限定版特典映像「Shall we date?~僕たちのエスコート~ in 神戸北野異人館街」は全世界にお勧めしたい素晴らしさ。
 また、オフィシャルビジュアルブックは撮り下ろし写真満載、キャストだけでなくほさかようさんと紺野さやかプロデューサーとの対談、音楽・殺陣・衣装・ヘアメイクと各スタッフの皆様へのインタビューも収録された盛り沢山な一冊。


 そして円盤発売を記念して、リリースイベントも開催されました。第1部・第2部とたくさんのマスミラクラスタが集まり、キャストのトークに耳を傾けました。
 イベントのレポートは仔細にまとめてらっしゃる方もいると思うので割愛しますが、公演が終了してからもこうしてお話が聞ける機会があるのはとても貴重で、そして嬉しい事だと思います。
 キャストも、スタッフも、皆さんマスミラを大切にして愛してくださっているのが改めて感じました。


 そして、マスミラ再演を観る上で「仮面」と共に注目すべきは、それぞれの「愛」のかたちなのではないかとわたしは思います。
 プリンスであって、プリンスではない3人の役柄。それはあて書きではあるものの、少しずつ違う心を持っていたのですから。

 まず、シーノ。
 彼は、非常に愛情深い人だと思います。2代目シーノを演じていた田川くんも「シーノは他人のために尽くせる人」と評していましたね。
 シーノが警察官として強くなったのも、大切な人を守るためだけじゃなく、自分のことも守るためだったんじゃないかなとわたしは思っています。レイジーに、シーノを守れなかった後悔を二度と味わわせないために。
 那月の愛は「惜しみなく与える」ですが、シーノの愛は「許す」ことなのかな、と。そう思っています。

 円盤を観ながら思い出を振り返っていた時、シーノは、「僕がレイジーを信じなかったことなんて一度もありませんよ」ってどんな気持ちで言ったんだろうって、改めて考えたのです。
 このあたり、田川くん自身も演じながら解釈を深めて変わっていったんだろうな、って思ったので。
 わたしの個人的な感覚では、東京では純粋な信頼に近いものが、大千秋楽では覚悟を決めた答えに変わっていったように感じました。

 それは、ほさかさんがシーノはもう一人のシーノの存在に気づき始めているのでは、という観点で作ってきたというお話をオフィシャルビジュアルブックで読んだからでもあります。

 レイジーが何かをしようとしている。それは、自分の記憶が時折途切れることと関係あるのかもしれない。
 不安はある。
 でも、やっぱり、自分は大好きなレイジーを信じよう。
 そんな風に移り変わり、揺れる心を僅かな間合いで感じさせてくれたように思いました。
 
 そしてこのシーンを境に、もう一人のシーノの愛もまた、がむしゃらな保護欲から、一歩引いて見守るものに変化したように感じます。
 自分がいなくても、シーノが生きていけるように。それは少し寂しいことだけれど、シーノの幸せでもあるのだから、と。
 二人のシーノは形こそ違うものの、どちらも愛情深い人だとわたしは思っています。


 続いて、レイジー。嶺二とレイジーの愛は、那月とシーノのそれより近いものがあると考えています。
 二人に共通するのは「優しい嘘つき」だということ。レイジーについては、染谷くんも同じように言っていました。
 嶺二はこれ以上自分の心の中に踏み込ませないために、レイジーは周りの人間の期待に応えるために、嘘をつき続けてきました。

 けれど、心から誰かのことを守りたいと思った時、嘘つきの仮面は剥がれ落ちます。
 本当の自分をさらけ出すとき、嶺二も、レイジーも、溢れんばかりの情熱が心の奥底にあったことに気づいたことと思います。

「僕だって人形だった」と、レイジーがアインザッツに呼びかけるシーン。わたしはここで泣けてきてしまうのです。
「誰が信じなくても僕が君を信じる」「自分の生き方は自分で決めろ」――その言葉は、レイジー自身がずっと言われたかった言葉なのではないかと思うので。

 レイジーはシーノが自分を信じ続けてきたことを知り、救われたのではないでしょうか。だからこそ、同じようにアインザッツのことも救いたくて。レイジーとアインザッツの魂がぶつかり合う、凄いシーンだと思っています。何度見ても、震えるくらいに。


 最後にアインザッツ。立場は似ているものの、アインザッツは藍よりずっと感情の振れ幅が激しいように思います。それは、ジェルマン様がより人間らしくと望んだ結果なのでしょうか。

 アインザッツも藍も、人間のこころを学び始めたばかりで、それが「愛」と呼べるものなのか認識できるまでに時間がかかります。
 特にアインザッツは一度、記憶と共にこころ自体を手放してしまうので。

 余談ですが永遠を埋め込まれたアインザッツは、瞬きをしてないんです。円盤で見るとよくわかるのですが、気持ちの揺れをまったく感じない眼差しにぞくぞくしました。
 そして、レイジーの必死の呼びかけをきっかけとして、心がふわっと戻ってくるんです。その瞬間が、見ているこちらにもはっきり伝わるんです。

「見えないところで瞬きしてます」って太田くんは言ってたようですが、ガラス玉みたいな瞳に少しずつレイジーの姿が捉えられていく様子は、見どころの一つでもあると思っています。

 最後のバルコニーのシーンでのアインザッツは、よりいっそう生き生きとした感情に溢れていましたね。シーノに対する微かなジェラシーと、レイジーに「ただ一人の存在」として認めて欲しい願望と。
 まだ自分の中でもあやふやだけれど、レイジーに感じる温かい想いが「またね」という一言に込められているように思いました。


 虚飾にまみれた仮面舞踏会の世界で、3人の愛はきらきらと儚くも強く輝いています。
 仮面の下からも透けて見えるほどに。

「舞踏会が終わっても」
「人生は続いていく」

 レイジーとシーノの言葉は諦めに似ているけれど、確かな希望を込めたものだとわたしは感じました。
 ここで別れ、進む道が異なったとしても、生きてさえいればまたいくらでも出会い直せるし、過ちもやり直せるはずだから。


 アインザッツが高らかに歌い上げたように、仮面を取り去って自分の心のままに生きることを選んだなら。
 人生という舞台の幕が閉じる時に見える景色はきっと、幸せに満ちたものだと3人はそれぞれ信じられたのではないでしょうか。
 永遠ではない命だからこそ、たくさんのきらめきに溢れていることを彼らはもう知っているのですから。


 舞台『マスカレイドミラージュ』は絶望と嘘の中からたくさんの希望と愛を見出すことのできる、再生の物語である――わたしはそんな風に捉えていることをお伝えして、考察の締めとさせていただきます。

 ここまで長々とお付き合いくださり、誠にありがとうございました!



 なお、個人的な趣味によりマスミラ上映会&トークショーおよびSHINING REVUE、「Nobody Knows」MVについて語るエントリも作りたいなあと思っております。

ふたつの幻影〜マスカレイドミラージュ考察〜(中編)

前回までのあらすじ
ついに踏み入れた仮面舞踏会の世界。
そこには深く、暗い沼が広がっていて……どうしてこんなにも胸が苦しくなるのか。
浮かび上がるふたつの幻影を目指し、ちはや調査員の魂は神戸へと飛んだ。
ふたつの幻影〜『マスカレイドミラージュ』考察〜(前編) - 推しと宇宙とアンモナイト

 それでは、ここでプリンスならびに『マスカレイドミラージュ』の3人のバックグラウンドについてまとめてみたいと思います。

 那月はゲーム『うたの☆プリンスさまっ♪Repeat』、嶺二と藍は『うたの☆プリンスさまっ♪All Star』を基準とした記述です。
 ゲーム及びマスカレイドミラージュ全般における多大なネタバレを含みますのでご注意ください。

プリンス

  • 四ノ宮那月
    • 眼鏡を外すと別人格である「砂月」が現れる。
    • 幼少期に師事していたバイオリン教師に曲を盗作され、自分のもとから去られたトラウマから砂月が生まれた。
    • 物腰の柔らかい那月とは正反対に砂月は凶暴な性格だが、これは那月を守るため。
  • 寿嶺二
    • お調子者の三枚目ポジションだが、誰に対しても一定以上は踏み込ませない一面がある。
    • 早乙女学園時代からの親友だったアイドル・如月愛音の苦悩を知りながらも、彼の失踪を止められなかったことを未だに悔いている。
    • そのため、自分が心から楽しむことや、幸せになることは許されないと思っている。
  • 美風藍
    • 如月愛音の外見を模して作られたソング・ロボ。
    • 失踪後、意識不明のまま外界との接触を拒絶している愛音のために作られた。
    • 二人の回線を繋ぐことで藍が学習した感情を愛音に伝え、それによって愛音が目覚めることを期待されている。

マスカレイドミラージュ

  • シーノ
    • 幼少期にレイジーともに誘拐され、誘拐犯に殺されそうになったことをきっかけに「影」であるもう一人の人格が生まれた。
    • シーノを守るために生まれた「影」は、眼鏡を外すことで現れる。
    • 「影」でいる間のことは、シーノの記憶には残らない。
  • レイジー
    • 名門貴族の跡取りとして生まれ育ち、周囲に期待される振る舞いを演じてはいるが、そんな自分を冷めた目で見ている。
    • 自分のせいでシーノを危険に巻き込み、「影」が生まれたことを負い目に感じている。
  • アインザッツ
    • 錬金術師ジェルマンによって作られた機械人形・オートマータ。
    • 自分の頭で考え、行動することができるよう、学習機能を備えている。


 ……いかがでしょうか。
 改めて並べてみるといかに闇が深いかおわかりいただけるかと思います。


 初代であるプリンスの当て書きゆえに重なる設定。
 けれど、核心に迫る部分を演じたのは初代ではなく、2代目。

 そして、嶺二の過去に関わるのは愛音だけれど、レイジーの場合はシーノがそのポジションにいます。
 また、那月は藍との関わりが深いのに対し、シーノはレイジーと幼なじみであり、親友となっています。


 このねじれの構造こそが、『マスカレイドミラージュ』という作品を深みのあるものとしているのではないでしょうか。


 例えば、アインザッツがレイジーに対し、「僕を誰と重ねてるの」と詰るシーン。
 再演だけを見ている場合、レイジーアインザッツに重ねているのはシーノだと思うでしょう。
 けれど、初代であるプリンスを知っている者の脳裏には、もう一人の人間の名前が浮かびます。


 そう、如月愛音です。


 これが、再演脚本及び演出のほさかよう氏の凄いところだと思いました。
 レイジーアインザッツの二者関係に絞らないことで、プリンスたちの背景に想いを馳せる余地を観客自身の中に作りあげているのではないでしょうか。


 そして、この流れは再演を演じるのが2代目だからこそ出来たことなのかもしれないな、とわたしは感じました。
 いくらお芝居の中でも、美風藍に「僕を誰と重ねてるの」と言わせるのは酷だし、演じる方にも、観る方にもダメージが大きすぎたと思うのです。
 けれど、2代目というプリンスから離れた人間に演じさせることで、ギリギリの距離感をもって受け止められるようになったのではないかと。


 次元と、関係と。
 さまざまな要素が複雑に絡み合っていたからこそ、再演『マスカレイドミラージュ』について、たくさんのことを考え、たくさんの想いを抱きました。初演から4年近く経って、こんなにもマスミラのことを考えることになるとは思いませんでした。
 そのくらい、わたしの中で大きな存在になったんです。


 そうして迎えた神戸千秋楽。
 ライブビューイングにて観劇しましたが、東京で観たマスミラとは色々なものが少しずつ違って見えました。


 ここちゃんと円盤に収録されていました。
 カメラワークについては賛否両論あるかと思いますが(全景で観たいところもある)、細かな表情を何度でも見られるのは円盤の強みですね! そして神戸千秋楽では、同じ台詞なのに言い方が変化しているところがいくつか見受けられました。
 それは、公演の最中でそれぞれの解釈が深まり、変わっていったところなのでしょう。

 こちらも繰り返し観ることで、ああ、ここはこういう意味も込められていたんだな、という気づきが生まれましたし(個人的にいちばん印象に残っているシーンについては、後日詳しく触れたいと思います)。





 これはライビュ直後のわたしの感想垂れ流しなんですが、そのまま引用した方が伝わるかな、と思いまして。

 わたしは初代を演じたプリンスと2代目を演じた俳優さんたちをそれぞれまったく別の人間として見ていて、そのスタンスはずっと変わらないんですが、お芝居の中のシーノ・レイジーアインザッツに関しては初演と再演とは地続きのものだと思っています。

 だから、初代たちがTwitter企画であれこれおしゃべりしながら過ごした時間も、再演に繋がっていったのかな、と考えているんです。
 当時、これまであまり接点のなかった四ノ宮那月と寿嶺二が少しずつ距離を縮め、美風藍とともに濃密な4ヶ月を過ごして千秋楽を迎えたことは、きっとどこかに息づいているんじゃないかなって。


 ちなみにツイートの中で触れている「クリスマス」とは、2013年12月24日に行われた初代マスミラ組によるパジャマパーティのことです。


 サンタさんを待ちながら寝てしまう四ノ宮那月のピュアさと、2人のサンタさんによる優しさ、さらに現れた3人目のサンタさんという壮大なハートフルストーリーは、後世に語り継がれるべき出来事だったと思うので、マスミラをお好きな方にはぜひチェックいただきたいと思います。


 先日開店しましたシャイニングストアでも、当時のツイートをまとめた「PRINCE TWEET LogBook」も販売されておりますので。

 わたしも今回改めて読み返しましたが、100公演を超えるロングランだった初演になぜ行けなかったのか、いまでも不思議です。


 さて、話を神戸に戻します。
 神戸千秋楽ではキャスト全員によるカーテンコールが行われました。

 そこで感じたのは、2代目の3人だけではなく、すべてのキャストとスタッフとが、愛とリスペクトとを持って再演『マスカレイドミラージュ』という作品を作り上げてくださった、ということです。
 わたしたち初代のファンが愛して、大切に思ってきた作品だということを十二分に理解していただいた上で、さらに美しく、残酷な世界を広げてくださったんです。


 再演を実現するにあたり、たくさんの批判の声があがったし、再演決定の一報によってうたプリから心が離れてしまった方もいました。
 それを止めることができなかったのは今でも歯がゆく思います。
 けれど、作り手の皆さんたちはそんなわたしたち初代のファンのことも考えながら大千秋楽の日を迎えたのだということが伝わってきたんです。

 だからとても幸せな気持ちで帰路につくことができましたし、3作目となる『JOKER TRAP』再演決定のニュースも嬉しく受け止めることができました。
 マスカレイドミラージュが、劇団シャイニングがさらに好きになれた一日でしたし、円盤の発売が楽しみで仕方なくなりました(既に東京会場で予約済み)。

 
 と、長くなりすぎたので一旦ここで切らせていただきますが、最後にひとつだけ。


 ご存知の方も多いと思いますが、神戸千秋楽カーテンコールでの田川大樹くんのあの振る舞いは衝撃的でした。
 ええ、あれです。

「一石二鳥」「とってもいい匂いするんですよぉ♡」からの「ぎゅーしてもいいですか?」発言。
 なんだこれは……(1週間ぶり2回目)。

 戸惑い、ジャスパーを人身御供にしようとするレイジーアインザッツ2人をまとめてぎゅーするシーノ、って……公式が最大手すぎました。
 田川くんは四ノ宮那月くんとは別人なのに、しかもカーテンコールだから素の人格のはずなのに、意味がわからなすぎて。

 今でも、これはわたしの中で処理しきれなかった大事件として残っております。
 

 もちろん、このカーテンコールも円盤に収録されておりますので、ぜひご覧ください!!(一銭も自分に入らない宣伝)

 では、後編へ。